ゴリラでも分かる距離と速さと時間(中学数学/高校入試)

 

いきなりですが、北海道の高校入試でこんな問題が出ました。

 

問題

 太郎さんは、毎分60mで歩いて中学校から図書館まで行き、図書館で調べものをした後、同じ道を同じ速さで歩いて図書館から中学校まで戻ってきました。下の図は、この時の中学校を出発してからの時間(x分)と中学校からの道のり(ym)の関係を表したグラフです。

ただし図書館の中では移動はないものとしています。

 

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(1)中学校から図書館までの道のりは何mですか。

 

これは簡単ですね。

ちなみに道のり(距離)と速さと時間の関係性はすぐに分かりますか?

 

それぞれの単位を見ればすーぐ分かりますよ。

 

道のり‥m

速さ ‥m/分

時間‥分

 

重要なのは、m/分

/の意味は➗と同じ。

 

ここで太郎さんの速さは60m/分

中学校から図書館までかかった時間は30分

道のり(m)を求めるために

60m/分 × 30分=1800m

 

次はどうでしょう?

(2)太郎さんは、全体の所要時間を変えずに、同じ道のりで中学校から図書館まで行き、30分間滞在して中学校に戻っていきたいと考えました。そのために、往復の速さを復路の2倍とすることにしました。この時の復路の速さは毎分何mですか。求めなさい。

 

ざっと読んだだけだは解けません。

一つひとつパズルのように解いていくと簡単です。

 

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①全体の所要時間

これは文章には書いていません。

ただグラフを見ればすぐ分かりますね。

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30分かけて中学校から図書館まで行き、20分滞在。そして同じ速さで図書館から中学校まで戻る。戻るときかかる時間も30分です。(行きと同じ速さなので)

よって全体の所要時間は80分。

 

②中学校から図書館の道のり

(1)より、1800m

 

③30分滞在して中学に戻る。

そのままの意味です。

 

④往路の速さを復路の2倍にすることにしました。

これもそのままの意味です。

例えば、往路 2x 復路 x

と置くことができます。

これをもとにグラフを書くと

 

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1800mを速さ2xでかかる時間は、

1800÷2x=900/x

1800mを速さxでかかる時間は、

1800÷x=1800/x

当然、速い方が、かかる時間が半分になります。

比で表すと

往路の時間:復路の時間=1:2  

 

そして往路と復路にかかった時間はグラフより

80分から図書館に滞在した30分を引いて、50分

 

よって往路でかかった時間は

50分 3分の1なので、

50分×1/3=50/3(分)

 

これで往路の道のりと速さが出たので

1800(m)÷50/3(分)=108(分/m)

 

これが往路の速さですね。

 

数学はパズルだと思えると楽しいですよ。(笑)

 

 

 

 

 

 

「図解」ゴリラでも分かる方程式

方程式…

 

それは中学に進学して算数から数学に変わり、突然現れる魔物…

 

 

そんなものではなく

計算を遥かにラクにする武器だと思ってください(笑)

 

方程式を全く知らない人のために

 

X+6=10

答え X=4

 

これです。

例題でいうと

「ある数に6を足したら10になりました。ある数を求めなさい」

という感じ。

 

「こんなの方程式なんてなくても解けるわ」

と思ったあなた!

その通りです(笑)

 

ではこれはどうでしょうか

「りんごを5個、みかんを3個合わせて1300円しました。りんごはみかんより100円高いです。それぞれいくらですか」

 

もちろん数字を当てはめて合わせて1300円になる数を探しても解けます。

 

しかし、もっと早いのが方程式。

今回はみかんをX円とすると

りんごはX+100円。

 

問題文を式にすると

(X+100)×5 + X ×3 = 1300

    りんご    みかん

 

これを解くと X=100

よってみかん100円、りんご200円となります。

 

今当たり前に解きましたが方程式の解き方の理屈はシンプルです。

 

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細かく書くとこんな感じです。

 

初めての人からすると分からないとすれば、①と②

 

①解説

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②解説

8X=800

①と同様に左と右を8で割ると

X=100

 

ここまで来たら楽勝ですね。

 

まとめ

方程式は最終的に X=○○ の形を作る

そのために、左と右には同じ数を足しても、引いても、かけても、わっても良い

 

 

次はXとyが出てくるパターンです。(連立方程式

さっきの問題でりんごをX円、みかんをy円とすると

 

5×X + 3×y =1300 ①

りんご      みかん

 

X=y+100 ②

 

文字が2つになるとパズルみたいなものです。

②の式では「Xはy+100だよ」って教えてくれています。

それを①の式に当てはまると

 

5×(y+100) + 3×y =1300

ここまで出来れば、解けますね。

 

 

・参考「難問・長文問題の考え方」 

入試問題を見ていると、方程式で難問のようなものがたまにありますが、それらは全て国語力です。長文の問題ほど図や絵にしましょう。

絵を書いて方程式に直せば、すぐ解けます。

 

例を出します。

(問題)

峠をはさんで8km離れた地点Aと地点Bがあります。地点Aから地点Bまで行くのに、地点Aから峠までは時速2kmで歩き、峠から地点Bまでは時速5kmで歩いたところ、全体で2時間30分かかりました。このとき、地点Aから峠までの道のりと、峠から地点Bまでの道のりを求めなさい。

 

 

 

【考え方】

これも言うまでもなく絵にしましょう。

それからすべてが始まります。

 

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【解】

この問題の解き方は2つあります。

どちらでも解けるので、自分に合う方にしましょう。

 

パターン1

地点Aから峠までをX、峠から地点Bまでをyとする。

 

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 ②に10をかけて

5X+2y=25

①より

y=8-X

よって

5X+2(8-X)=25

3X=9

X=3

ý=5

 

答え 

地点Aから峠までの道のり:3km

峠から地点Bまでの道のり:5km

 

パターン2

地点Aから峠までかかった時間をX時間、峠から地点Bまでかかった時間をy時間とする。

 

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①より

y=2.5-X

②に入れると

2X+5(2.5-X)=8

X=1.5(時間)

y=1(時間)

 

地点Aから峠までの道のり:2(㎞/時)×1.5(時間)=3km

峠から地点Bまでの道のり:5(㎞/時)×1(時間)=5km

 

どちらでも解けることが分かりましたね。

数学で答えにたどり着く方法は必ずしも一つではありません。

どれがいいか悪いかもありません。

ただ考え方として、慣れるまではなるべく図や絵にしていきましょう

 

まとめ

長文の問題は絵や図にしよう

 

 

 

「算数/数学」公式は最低限でいい

 

皆さんは「詰め込み教育」という言葉を聞いたことがありますか?

 

 

Wikipediaによると

詰め込み教育(つめこみきょういく、 英語: cramming)とは、もっぱら暗記による知識量の増大に比重を置く、あるいは知識の増大を目指す教育方法のこと。 

 

こんなイメージを持った方も多いと思います。

詰め込み教育」と「ゆとり教育」はよく比較の対象となりどちらがいいか悪いかといった議論になることも少なくはないでしょう。

どちらがいいとは一概には言えません。私は詰め込み教育は嫌いですが

 

私自身はゆとり教育を受けた側です。

ゆとり教育世代でも勉強が嫌いな人はたくさんいました。

ではなぜ嫌いになるのかと考えたときに思いつくのは

「やらされるから」です。

 

嫌々やらされることはみんな嫌いです。

でもしなければいけない。

大人でいう仕事と同じですね(笑)

 

教育の現場で無理にやらされることの1つは「暗記」です。

暗記する量を減らせば、少しは勉強が楽しく感じるはずです!(謎の自信)

 

そこで今回のタイトルにもあるように

公式を覚えるのは最低限にしようという回です。

 

じゃあ具体的にどうするのか。

例えば

 

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台形の面積。覚えてますか?

 

公式は「台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2」ですね。

私が小学生で初めて見たときは、上底って何ぞや??ってなりました(笑)

でもこんなの覚えなくても問題ありません。

 

なぜかって?

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これでわかりましたね?

三角形の面積を2つ足せば台形の面積は出ます。

 

三角形の面積の公式さえ覚えていればいいのです。

ちょっとした工夫で暗記の量は減ります。

 

おうぎ形の面積

 

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ちょうど最近中学生の数学の参考書か何かで見ました。 

 

これは必要でしょうか?

あえて公式として覚える必要はないでしょう。

 

円の面積の公式

半径×半径×円周率(π)さえ覚えていればおうぎ形の公式をいちいち覚える必要はありません。

 なぜなら、円を切り取った図形がおうぎ形です。

 

おうぎ形は円の何分の1かを考えるだけで、弧の長さも面積も導き出せます。

 

要するにおうぎ形の面積は

半径(r)×半径(r)×円周率(π)×中心角(α)/360°

=(半径(r)×円周率(π)×中心角(α)/360°)×半径(r)

= 1/2×(直径×円周率(π)×中心角(α)/360°)×半径(r)

=1/2×弧の長さ(l)×半径(r)     

 

これで導き出せました。

 

私が今回伝えたかったのは、公式は最低限覚えていればいいということです。

すべての公式が必要ないわけではありません。

 

覚える必要がある、必要がないを判断することが大切です。

私は覚えることが苦手だったので、こういった事ばかり考えて勉強していました。 

 

この知識を少しでも世の中に広めていけたらと思います。

 

 

 

 

「図解」ゴリラでも分かる割合

割合、百分率、歩合

小学校の算数でトラウマになり、 いまだにわからない人も多いんじゃないかと思います。

 

忘れ去りたいのに子どもが小学生になり、どうしても教えないといけないあなた!

テスト前で悪い点数を取りたくなくて、焦っている小学生のあなた!

たまたまこの記事を見つけたあなた!

 

皆さんが理解できるようにサルでも、ゴリラでも分かる割合を教えます。

 

割合やパーセントの問題の解き方を超簡単に分かりやすく伝えます。

 

 

 基本的な考え方

その前に

割合やパーセントは誰か分かりませんが人が作っちゃったものです。

言葉と同じで覚えないといけないこともあります。

まずそこだけ紹介します。

 

覚えること

割は10分の1、パーセントは100分の1にして計算する。

 

はい、これだけです(笑)

例を出すなら4割は0.4、90%は0.9

これさえ覚えればOKです。

 

今度こそ基本的な考え方、解き方です。

下図参照

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※正確に書くなら2.5割と7.5割ではなく、2割5分と7割5分ですが、わかりやすさを追求したためお許しください

 

じゃーん。超簡単ですね(笑)

この図が分からない人はいないと思います。

実際に解いてみましょう。

 

練習1

 夕方のスーパーで定価1200円の国産牛に2割引きのシールが貼ってありました。さて、レジではいくらになるでしょう。

 

 

答え

2割引きなので

10割−2割=8割 になります。ここまでは日本語の問題ですね。

図を使うとこんな感じ。

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よって

1200円×8割=1200円×0.8=960円

 

 

練習2

洋服屋さんで定価から30%引きの服を買ったところ、レジで8400円になりました。この服の定価はいくらでしょうか。

 

答え

30%引きなので

100%-30%=70%

定価の70%で買ったということですね。

図にすると

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定価×70%=8400円ですね。

70%をかけて8400になるということは、8400を70%で割れば定価が出ます。

よって

8400円÷70%=8400円÷0.7=12000円

 

割合やパーセントの問題は、文章で考えず、図で書くと超簡単!

 

ここまでは基本的な問題です。

次は難問に挑戦してみましょう。

難問を超簡単にしてみせます。

 

 

難問豊島岡女子学園 2019年

容器A、容器Bにぞれぞれ食塩水が入っており、容器Aには5%の濃度の食塩水が200g入っています。はじめ、容器Aの食塩水100gと容器Bのすべての食塩水を空の容器Cに入れてよく混ぜます。次に、容器Cの食塩水100gを容器Aに入れ、よく混ぜると容器Aの食塩水の濃度は10%になりました。


(1)容器Cに入っている食塩水の濃度は何%ですか。

 

続いて、容器Aの食塩水100gと容器Cのすべての食塩水を空の容器Dに入れ、
よく混ぜると容器Dの食塩水の濃度は14%になりました。


(2)容器Bに入っていた食塩水は何gですか。

 

 

 

中学受験の問題ですね。

文章の長さに圧倒されてはいけません。必要な情報だけ読み取りましょう。(ほとんど国語力)

国語力に自信がない人はまず図にしてみましょう。

 

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 前半はこんな感じです。それでは解いていきます。

 

(1)容器Cに入っている食塩水の濃度は何%ですか。

とりあえず容器Cの濃度を求めるので、③と④を見てみましょう。

この図を逆に文章にすると、

「濃度5%の食塩水100gが入った容器Aに容器Cから濃度?%の食塩水100gを加えると(③)、容器Aの濃度は10%になりました(④)」

となります。

これなら解けそうですね。

 

③にある食塩は、

容器A:100g×5%=100g×0.05=5g

容器C:100g×?%=■g(■としておきます)

④にある食塩は、

200g×10%=200g×0.1=20g

 

③と④の食塩は同じ量なので

5g+■g20g

     

 これにより、■gは15gです。

100g×?%=15g

よって、?%は15%となります。

 

後半も解いていきます。

 

続いて、容器Aの食塩水100gと容器Cのすべての食塩水を空の容器Dに入れ、
よく混ぜると容器Dの食塩水の濃度は14%になりました。

(2)容器Bに入っていた食塩水は何gですか。

一見難しそうに見えますが、シンプルです。

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前半部分の食塩水の量(g)の動きを見てみます。
④の段階で容器Cにある食塩水の量は、はじめにあった容器Bの食塩水の量と同じです。

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これを(1)と同じように考えて
容器A:100g×10%=10g

容器C:?g×15%

容器D:(100g+?g)×14%

よって

10g+?g×15%= (100g+?g)×14%

 A             C                            D

これを解くには方程式を使うのが一番手っ取り早いです。小学校教育ではないですが(笑)

方程式で解くと、答えは?は400となります。

 

食塩水の問題の解き方は色々と方法がありますが、方程式で考えるのが最短ルートになります。

 

まとめ

・パーセントや割合の問題は、図を書くと超簡単になる。

・長文の問題は、国語力と絵を描くことが重要。